5月3日東南アジア経済勉強会レポート

5/3の勉強会で議論したタイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムの外国為替市場、債券市場、株式市場、の動き(4/16~5/3)です。

ドルに対し各国通貨の価値は低下

いずれの国でもドルに対しての自国通貨の価値が下がった。

2週間前の勉強会では、インドネシアの株式は為替レートの変動があまり見られなかった。(※前記事参照→4月19日東南アジア経済勉強会レポート - mdw.sec.tsukuba.ac.jp)しかしここ2週間の間で、ルピア安が進んだことがわかる。資源国としての経済の強さが目立っていたインドネシアであったが、輸入の増加やドル投資への乗り換えでルピア安が進んだ可能性がある。

他の3か国でも自国通貨安が進む。高金利のドルに投資先を乗り換える動きが継続している

全ての国で10年国債利回りは上昇(=国債価格の低下)

アメリカの長期金利上昇を受けて、東南アジア各国の国債を売る動きが進んでいる。

アメリカの長期金利が東南アジアの金融市場に与える影響が大きいため、ここで少しアメリカの金融市場の動きに注目したい。

アメリカの債券市場では5月2日、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが一時3.01%まで上昇した。この背景には、アメリカ国内の記録的なインフレを抑えようと、FRBが政策金利の引き上げを
続ける(4日には0.5%引き上げ決定)姿勢を明確にしていることがある。
政策金利引上げに伴い長期金利も今後上昇を続ける場合には、既発債(過去に低クーポンで発行された国債)の価格が低下すると予想される。よって既存の国債保有者はその前に現在保有している国債を売りに出し、結果として国債価格を押し下げている。その結果、国債利回りが上昇し、アメリカ国債を新規で買う動きも一方では出てきていると推測されるが、今のところは売りが上回っていると考えられる。


このようなアメリカのインフレ、金融引き締め、国債利回りの上昇は、東南アジアの経済にも同様の動きをもたらすのではないかとの不安が、東南アジアの国債に投資している投資家の間にも広まっている。
この時点で東南アジアの国債を売却し、ドルに替えてドル現金でしばらく保有するか、
利回りが上昇したアメリカ国債に乗り換える動きも出てきているのではないかと考えられる。

インドネシア株式は引き続き上昇、他3か国は下降トレンド

インドネシアは最近の傾向と変わらず、上昇を続けている。インドネシア通貨ルピア、インドネシア10年国債はともに価格が下がっているが、株式は影響を受けていない点が興味深い。今後、インドネシア株式も下落していくか、が注目される。

その他3カ国では下降トレンドとなっている。通貨安、国債価格低下、とは整合的である。

2週間前の勉強会ではタイ株式が上昇トレンドに乗ったかのように見えたが、結果としては株価はやや下落した。